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木の本棚 Wooden Bookshelf; 002 モモ 第2弾も児童小説でいきましょう。ミヒャエル・エンデの小説には、いろんな意味で心を森にしてもらったように思います。「モモ」はおなじみと思いますが、不思議な魅力を持った少女モモの素敵な暮らしのなかに、灰色の男たちが侵入、時間を盗んでいくというサスペンス。一挙に最後まで読んでしまえる物語の力。ずっと前に読んだ方も、ぜひ読み直してみてください。私も、36歳になった今、改めてこの物語のテーマが身にしみます。自分がどれぐらい灰色の男になっているか、これからもときどき読み直して、チェックしていきたいと思います。 それにしても、難しい言葉がたくさん出てくる物語です。モモが住んでいるのが「円形劇場」。「対怪物砲はよく知られているように蛋白質を弾にしているのですから。」・・・。原語では読めませんが、名訳だと思います(訳・大島かおり)。こうした言葉は理解を阻害するものではなく、むしろ、キラキラと結晶のように輝いて、子どもたちを物語の魔法へと誘い込んでいきます。何でも擬音語や擬態語にしてしまう子供語の本には真似のできない、力があると思います。 モモ 1976年 岩波書店 Michael Ende: MOMO, 1973 |
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