木の本棚 Wooden Bookshelf; 003

ふしぎ ふしぎ

アウトドアの魅力を伝える本、というと、ものすごくサバイバルな内容だったり、本格的な登山やアウトドアスポーツの本だったりします。でもこの本は、決してティンバーライン(高山の、これ以上木が生えられない限界線)の上にだけアウトドアがあるのではなく、何気ない日常の中に素晴らしいアウトドアが隠れているんだということを教えてくれます。そうしたアウトドアは、このマンガでは「ふしぎ」という言葉で表現されています。ふしぎ、と思うことを続けていきたい。本当に、そう思います。

停電の夜に星の明るさを感じたりするエピソードが大好き。そう言えば私たちの子供の頃、よく台風とかで停電しました。それはとてもワクワクする、魅力的な時間だったように思います。作者の山崎浩さんは同世代なのでしょうか。停電の夜、庭に出てみたら星空が明るい。ただそれだけのエピソードの中に、恐がり、驚く子どもたちのいい表情が入っています。お母さんがさりげなくキャンドルランタンをつけたりするところに、作者のアウトドア趣味が見えて、とても楽しい一冊。


ふしぎ ふしぎ 1993年 講談社
モーニングKCDX389 山崎浩



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