5th Art Jam 2008

ギャラリー山口/東京
Gallery Yamaguchi/Tokyo

2008/8/4〜9

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Gallery view

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今回の企画展について
前回の個展(2008/ギャラリー山口)に続き、画廊企画のグループ展に出品させていただきました。

このグループ展のくくりは、「2008年上半期にこのギャラリーで個展をした45歳以下の作家」というもので、私の印象として、恐らく20代前半〜30代前半の作家の方が一番多かった気がします。
私実は、5月の個展の作品が自分ではあまり良くなかったと思っていたので、「このチャンスに、個展の時よりももっとずっと良い、ベストの作品を持って行って、見てもらわねば!」と、当初から意気込んではいたのですが、それが空回りしてしまいました。
すごく良い油彩を描く!つもりで、実際描いていたのですが・・・
個展の時に大勢の方から聞いた様々な意見がぐるぐるぐるぐる頭の中を回り続けるばかりで、一体自分が何を描きたいのか、とうとう分からないまま搬入の日が迫っていました。
そんなとんでもない状態が続いて、油彩が完成せず、仕方なく搬入の数日前に、急きょ、上にある水彩2点を描いて(しかし手抜きはしていません!)、それを抱えて上京した次第です。
DMを送った方には、「今回は作品が大したこと無いので見に来ない方がいいです」とも言えず・・・わざわざ足をお運びいただいて、申し訳ないことをしたと思っています。(もちろん他の方の良い作品を見ていただけたと思うので、それはそれで良かったのですが。)

上にも書いたように、今回は比較的若い作家さんが集まったグループ展で、会場の雰囲気も私が今までに経験した展覧会とは違っていて、会場に入ってまず、それに面くらってしまいました。

「部屋の空気が若い!」

私は不勉強で、普段も関西でギャラリー巡りをせず(大阪も京都も遠いもので)、5月の個展時の東京滞在中は、会場に詰めていて何も見られず、今回の東京で久しぶりに少し時間があったので、いくつかのギャラリーを回って見てみました。
・・・やっぱり、全体的に、「作家さんが、若い!」。
私はずっと、自分の個展をするか、比較的年齢の高いグループ展に出品していたので、自分が「もう若くない」ということに気が付かなかったのです!
私のスタンスはずっと、「ひとりで勝手にやってるんだから、好きにやらせて」でしたが、こういう美術の世界の「時流」を目の当たりにして、かなり怯みました。そういえば美術雑誌では、大学在学中とか大学を出てすぐとかの超若い作家さんがもてはやされ、それはギャラリーでも同じで、青田買いにも近いものがあって・・・
作品として良いかは別にして、やっぱり若い人の作品には、若さゆえの勢いとか前向きなパワーとか時代の空気を背負ってるとか、到底かなわない部分というのがあるんですよ。

「私は若くない!」そして、「私の絵は古い!」

それで、東京から帰ってきて数週間、ずっと落ち込んでいたのですが・・・
でも、私の絵が時流からはずれてて、私がもう若くないことなんか、べつに今に始まったことじゃないし、時流に合わないからって、合うように絵を簡単に変えられるなら、そんな「お気楽な絵」って、なんなんだよ?ってことにもなるし、「絵が変わる」時は、「自分が変わる」時しかありえないんだし、これはこんなことで落ち込んでも無駄だと思って、気を取り直しました。
今は若い作家さんも、10年後20年後は今の私と同じ立場になるんです。その時、若い頃は生き生きとした作品を作っていた作家さんが、まだ続けているのかどうか・・・。
私はこんなこと、今まで考えてもみなかったのですが、今回初めて、「年齢を重ねることによる疲弊」によって、制作・発表を止めていく人の気持が、分かる気がしました。これだけ若い人が展覧会をやっていて、なおかつ業界にもてはやされていると、ある程度の年齢になっても世の中に認められていない人は、自分の作品と存在が否定されたような気がして、続けるのが嫌になっても仕方ないかな、と。
・・・でも、私は止めませんけどね。
もうすでに1回止めてるし、もしまた止めてもまた描きたくなると分かっているから。
私が描いているのは、時流に乗りたいからでも、世の中にもてはやされたいからでもなく、自分にとって、描くことが「必要」だから。だたそれだけ。まあ、たまに「認められたいな〜」と激しく思うこともあるけれど・・・

自分が描きたいことを、自分が描きたいように、描く!それだけ。
古かろうが、年寄りだろうが、好きにやらせろ。
さあ!気を取り直して、次に行ってみよう!


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