THE BARCELONA SESSIONS
2000/11/22(JP)Released (Box Set)
1.THE DUET(The Fallen priest)
  (Extract from Garden Lodge tape)
2.IDEA(Barcelona)
  (Extract from Garden Lodge tape)
3.IDEA(Barcelona)
  (2nd Extract from Garden Lodge tape)
4.BARCELONA
  (Early Version:Freddie's Demo Vocal)
5.BARCELONA
  (Freddie's Vocal Slave)
6.BARCELONA
  (Later Version:Freddie's Vocal Only)
7.LA JAPONAISE
  (Early Version:Freddie's Demo Vocal)
8.LA JAPONAISE(A Cappella)
9.RACHMANINOV'S REVENGE(The Fallen Priest)
  (Early Version)
10.RACHMANINOV'S REVENGE(The Fallen Priest)
  (Later Version:Freddie's Demo Vocal)
11.ENSUENO(Montserrat's Live Takes)
12.THE GOLDEN BOY
  (Early Version:Freddie's Demo Vocal)
13.THE GOLDEN BOY(2nd Early Version)
14.THE GOLDEN BOY
  (ACappella featuring Gospel Choir)
15.GIDE ME HOME/HOW CAN I GO ON
  (Alternative Version)
16.HOW CAN I GO ON(Out Take:Extract)
17.HOW CAN I GO ON
  (Alternative piano Version)
18."WHEN THIS OLD TIRED BODY WANTS TO SING"
  (Late Night Jam)

「THE BARCELONA SESSIONS」について。
 ここにはフレディーの2枚目のソロ・アルバムであり、オペラ歌手MONTSERRAT CABALLE(モンセラ・カバリエ)とのコラボレーション・アルバムでもある「BARCELONA」(1988年)の制作過程で録音された音が集められています。

 フレディーがどんなに夢中になってこの仕事に取り組んだかが痛いほど伝わってくるCDです。モンセラとのコラボレーションを成功させるために、フレディーは出来得る限りの下準備をしてモンセラを迎えます。モンセラに一聴して曲を理解してもらうために、フレディーは自分のパートだけではなく、モンセラのパートまで、ファルセットを駆使して自らヴォーカルを入れたデモ・テープを作っています。凄まじいです。(ソプラノの声が出るんですよ!すごいです!!)では1曲ずつ書いていきますね。

 1.〜3.1987年3月29日、ロンドンでのコンサートを終えたモンセラが初めてフレディーの自宅を訪れた際の大変貴重なテープです。「疲れていませんか?」と心配するフレディーを、「時間の無駄かしら?」「もう帰りましょうか?」とからかうモンセラに対して、「いや!帰って欲しくないんです!」「そんなつもりじゃ...」「僕は朝の6時まで歌えますよ!」(実際、夜中から始まったこのセッションは明朝まで続いたそうです)と慌てるフレディーの声から始まります。4.は1.〜3.のおよそ1ヶ月後に取られたBarcelona(曲の方)のフレディーひとりのデモ・テープです。まだ歌詞が出来ていませんが、メロディーは完成されています。5.歌詞は完成しています。フレディーは自分のヴォーカル・パートのみ歌っています。いくつかのヴォーカルがぶつかって聞こえるところが興味深いです。6.完成作に非常に近いです。モンセラのヴォーカルは入っていません。7.歌詞が出来ていません。「リリリー」で全編通しています。8.モンセラとフレディーのヴォーカルのみです。ヘッド・フォンからバックの音が漏れ聞こえます。準備に準備を重ねた末、やっとモンセラとの実際のレコーディングにこぎつけたテイクです。9.歌詞は即興で、完成作には無いメロディーもあります。全体に即興の部分が非常に多いテイクです。10.アレンジもメロディーもほぼ完成作です。が、歌詞がまだ出来ていません。即興で歌っているようです。モンセラのパートもフレディーが歌っています。11.「あら!ごめんなさい!(曲の途中で)終わりかけちゃったわ!」と時々中断しながら、モンセラひとりのヴォーカルが続きます。12.フレディーひとりのデモ・ヴォーカルです。曲は未完成で、バックはキーボードのみ。即興と思えるセリフが入っていたり、ゴスペル部分もありません。13.バックはピアノのみ。歌詞も違います。「I love your silence〜」からのメロディーが完成作とは全く違っており、それに続いて完成作には存在しない部分がくっついています。14.ふたりのヴォーカルとゴスペル・クワイアのみのア・カペラ・テイク。かすかにバックの音とピアノの音が聞こえます。15.フレディーのひとりデモ・テープです。歌詞に不完全な部分があり、完成作には存在する部分がメロディー・歌詞共に一部欠如しています。ヴォーカルも違っています。16.プロデューサーのデイヴ・リチャーズがテープを回し遅れたために、途中からの録音になっています。歌い終わった後テープを聞き直そうとしてそれを知ったフレディーが、「なんてこったい!!」と悔しがります。17.インストゥルメンタルです。原曲をかなり崩して演奏しています。18.アルバム「BARCELONA」最後の曲「OVERTURE PICCANTE」の原曲!?ピアノのフレーズや歌詞に片鱗が見えますが、全然違う曲...というか、まるっきりの即興曲です。「アルバムに入れるよ!!」と叫んで終わっています。

 このCDで大活躍しているのが、プロデューサーのデイヴ・リチャーズと、アルバム「BARCELONA」収録曲全部の共同作曲者であり、すべてのピアノを弾いているマイク・モランです。
 モンセラ・カバリエはフレディー没後にもフレディーの楽曲をカヴァー(私は未聴です。)しましたが、「BRCELONA」の様なコラボレーションをもう一度...と、他のミュージシャンからどんなに請われても、断り続けているそうです。フレディーが言ったとおり、ふたりの間に「大切な関係」があったからこそ完成した作品だからでしょう。私もアルバム「BARCELONA」はフレディー・マーキュリーの「全て」を懸けた、最高傑作だと思います。


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