旅 「またしても金沢・・・」(2006年12月2〜3日)


『お礼参りに行こうと思っただけなのよ・・・』 (2006年12月2日)

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先月東京にね、NY個展(2006年)の準備をしてたこの2年間、色々お世話になった友だちに、「お礼参り」に行ったんです。
で、今度は金沢の友だちに会いに、同じく「お礼参り」という名の遊び旅行に行きました。

私は何年かおきにフラフラと金沢に行っていて(※私は学生時代の4年間、金沢で過ごしました)、その度に地元の友だちのお世話になっているので、もうええオバハンなのに恥ずかしいので、今回は個展前に世話になった友だちだけに、コソッと会いに行って、コソッと帰ってこようと思っていたのですが・・・
なんだか気を回してくれて、連絡網を回してくれて、またもや「プチ・同窓会」になってしまいました。ああ!!
(忙しいのに、私が行ったがために集合させてしまって、ごめんなさい。(¨;)まあ、私を口実に飲みに出てきてくれてるのなら、かなり気が楽ですが。。。)

でもね。
みんなに会ってしまうとね、やっぱりすごく楽しいんだ、これが!!!!(泣)
なんでみんな、仕事持ったり家庭持ったり、昔とは変わったことがいっぱいあるのに、なんで人間的にはあんなに変わらないんだろうと、感動してしまう!!
(もちろん、良い意味で)
そして、これもいつも思うけど、学生時代で時が止まってるわけではなく、今現在の各人の話も出来て、時を経てきた今の姿でも付き合えるっていうのが、大学時代の友人のスゴイところ。
まあ、美術の専門の学校だったから、興味の方向や職業が、ある程度共通してるせいもあるけど、これ、普通はけっこう難しいことだと思う。

ホントに会えてよかった。楽しかった。。。(/_;)

恒例の、安否確認。
今回は駅の西口が工事中で、前回居た場所に、郵太郎の姿は無し。
ちょっと心配になりましたが、構内をぐるーっと回ってみたら・・・

「おお!いたいた!」

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券売機のすぐ横。
友人にゃがしゃかに「まだいたよ!」と報告すると、『怖くて、もう誰もよう捨てんのではないか?』とのお返事。
だったら安心。
もし捨てられたら、化けて出てやるんだぞ、郵太郎!!
(でも、もう何十年も駅に立ってるハズなのに、このツヤツヤのお肌はなんとしたことか??)

「黒百合」すごい!

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金沢駅に着いて、先にお土産を買って(前回、閉店前ギリギリに買いに走ったので)、さて、お昼どこで食べようかな?と思ってウロウロしてると、なんだかすごくシブイ店を発見!!

メニューを見たら、茶飯定食とか、コアな魚介類とか、おでんとか、食べてみたいものがたくさん!!
(詳しくは、HPのメニューを見て!すごいから!)
でも、今夜は楽しみにしてたお刺身とか色々食べないといけない。昼は軽〜くね。
そこで、雑炊定食(卵となめこの雑炊+さよりの開き+金時草のおひたし+お漬け物)を選択。

店に入ってみると、これは!!すごい!古い店舗の作りをそのまま移築してきたような店内。
店の中央に、ちょっとした調理場が有り、おでんが煮えている器がダーッと並んでいて、そのまわりをぐるりとカウンターが取り囲み、そのまた回りに座席がいくつか。
カウンターの中では、板さんがひとり。あと、あまり若くないお姉さんたちが、きびきびと働いておられました。(カウンターのさらに奥に、大きな厨房が別にある。)

さらに店内を観察していると、お店の中をよちよち歩きまわっている、作務衣を着たちっちゃいおじいさんが。
HPを見ると、どうやら、この店の初代大将がこの方。
常連さんに、「○○さん、久しぶり!どないしとったんや?」「こないだ○○さんおいでたで!」「○○さん、今日は仕事お休みけ?」と、声をかけてまわってる。
それが、入って来る人来る人次々に近づいて肩を抱いて声かけているので、この時店にいた三分の一くらいが、常連さんみたいだった。恐るべし、黒百合!!
大将の話をさらに耳をダンボにして聞いていると、どうやらこの「黒百合」は、昔の駅舎の時代も、駅地下にあったらしい。そして、53年間、おでんの出汁は切らしてないらしい。う〜〜〜ん。覚えが無い。というか、駅でご飯なんか食べたことが無かったので、気が付かなかった。
でも、なるほど、それならこの古い店のつくりも納得。
前の駅舎から現在の駅舎に建て変わった時、前の店をそのまま移築して再現したのね、うんうん。
でも、そういう発想はすばらしい!!
こういうのは、店の歴史だし、財産だから、一度壊してしまったら、取り返しが付かないもんね。
(今度ビルに建て変わるらしい近江町市場も、見習ってほしいもんだ。本当に冷たいビルでいいのか?)

さて、私がカウンターでフゥフゥしながら雑炊をウマウマと食べていると、かなり年輩のブルーカラーと思しきおっちゃんが入ってきて、私の左隣りに座りました。
すかさず近づくお姉さん。

お姉さん:「○○さん、いらっしゃい!今日何する?」
おっちゃん:「そやな〜・・・」
お姉さん:「ビール?ビールけ?」
おっちゃん:「そやな〜。」
お姉さん:「はい、ビール。」(と、瓶ビールを開けて、ドン!と置く。)
お姉さん:「ほんで何食べる?今日アラあるよ?アラする?」
おっちゃん:「そやな〜。」
お姉さん:「はい、アラ。」(と、カウンターの中にあった魚のアラの煮付け山盛りをドン!と置く。)
おっちゃん:「・・・」
お姉さん:「あ。チンする?チンしよか?」
おっちゃん:「そやな〜。」
お姉さん:「ほなら、チンしてくるね?」
おっちゃん:「そやな〜。」

おっちゃん・・・キミには「何食いたい」とかいう欲が無いんか。。。
お姉さんの言いなりで、さっきから置きっぱなしになってた魚のアラをあてがわれ、しかも冷めたまま供されようとしている始末。
お姉さんがチンしてくれたので、私もホッとしました(^_^;)
結局私が見てる間におっちゃんの声を聞いたのは、「そやな〜」と「目医者行ってきた」の二言だけ。おっちゃん、客なんだから、もちっと自己主張してもいいと思うぞ。

そしてさらに私が雑炊を食べ進めていると、右隣りに、初めてこの店に来たと思われるおじさんが案内されて座りました。
お品書きを見ながら、だーいぶ迷ったあと、「お好み定食」を注文。

お姉さん:「はい、定食ね。一品選べるけど、おかず何にする?」
おじさん:「(いいんですか?みたいな感じで)あの、イワナ食べたいんやけどー・・・」
私の心の声(え?え?イワナが定食に付くんか?)
お姉さん:「はい、イワナね。イワナ、どうする?」
私の心の声(え"〜!イワナが定食に付くんや!!!)
おじさん:「えーと、唐揚げで。」
私の心の声(うっそー!唐揚げ?イワナの唐揚げ?食べたーい!!!!!!!!)
お姉さん:「はい、イワナ唐揚げね。イワナ唐揚げでー!(と、板さんに)」

もう、私、そっから、いつ「イワナの唐揚げ」が運ばれて来るか、気が気でなくて、待ち合わせの時間はもうすぐだし、さっさと雑炊食べないといけないし、イワナはなかなか来ないし。。。
雑炊食べ終わって、汗ふいてお茶すすってる頃に、ようやく、来た!!
イワナの唐揚げ定食!!
小ぶりのイワナでしたが、揚げたての唐揚げがお皿に・・・。ああ・・・。
おじさん、早く食べて見せて!早く早く!私、時間無いねんて!!!!
おじさん、頭をパキッと割って、食べてました。
決めた!次はあれを食べる!!!!!!!!
(ってことは、また来るのか、金沢に。。。(--;) )

石川県立美術館
一陽会北陸支部展
独立美術協会北陸支部展

金沢21世紀美術館
Yoshitomo Nara Moonlight Serenadeー月夜曲
REAL UTOPIA Stories of the Unlimited「リアル・ユートピア〜無限の物語」
(イ・ブル 草間弥生 岸本清子 木村太陽)
北陸中日美術展

日頃の行いがよいので、私が昼ご飯食べて、友人にゃがしゃかのお迎えを待っている最中に、モーレツな嵐に突入してしまいました。この季節の金沢はダメだ!分かっていたけど、やっぱりダメだ(ノ_<。)
で、本当は、河北潟とか内灘っていう、水のあるところへ写真撮りにつれていってもらうはずだったのを、急きょ変更。美術館巡りをすることに。

まず行ったのが、石川県立美術館。
一陽会北陸支部展と独立美術協会北陸支部展。

私の同期とか知ってる人も出品していて、会場で何人かに会いました。
でもみなさん「社会人〜大人〜」って感じで、学生時代とは雰囲気変わってましたね。
(でもNムラさんは変わってなかった!笑。Nムラさん、会えてよかった〜!楽しかったね〜!打ち上げブッチしてくれて良かった!んかな???知らね〜よ〜。)
そして、人間関係がうまく行ってればいいけど、もしそうじゃなくなった場合、 地元で、昔から知ってる人と、ずーっと顔会わせてやっていくっていうのも、 なかなか大変なことかもしれないな、と。
私はどこにも所属してない、フリーの勝手気ままな人間なので、そんな心配をしてしまう。
でも実は、ちょっとだけ羨ましかったりもする。すぐそばにいつも仲間がいること。
しかし。継続することは、唯一の力なり!!
描きたいと思う限りは、どないかして描き続けないとね!!
自分のためにね!
みんな、頑張りましょう!!!!!

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そして、金沢21世紀美術館。

奈良美智さんは、友人にゃがしゃか大絶賛なので、楽しみにして行きました。 実は私、奈良美智って、本物の作品を見るの、これが初めて。
今回の展示では、作品数が少なくて、物足りなかったけど。。。
いやあ、でも、この人、面白いわ!!
展覧会場が、奈良美智さんの脳内そのもの!!
工芸作家作と見まごう、繊細なお肌とフォルムを持ったお人形とか、絵がそのまま現実に現れた、メルヘンなお家とか、お家の中に設置してある作品にグッズに、かかってる音楽、もう、細かいとこまで徹底していて、おかしくて、思わず笑ってしまいました。
(上のチラシの、月の女の子の頭の付いた巨大な小屋が、美術館の中に本当に建ってるんです。笑)
去年か一昨年にやってた青森での個展では、こういうのがいくつもいくつも建ってたというのだから、凄かったんでしょうね〜!
奈良さんは現在、月に数回この美術館の敷地内に建ってるメルヘンな小屋で制作していて、その様子は一般の人にも公開されています。作業場を窓から覗いて見られるようになってるの。おもしろいねえ。
あいにく、私たちが行った日は不在でしたが、お近くの方はまた行ってみてくださいね。
私も、次に奈良さんの個展があれば、また行ってみようと思いました。
やはり、印刷物やネット画像ではなく、実際に作品を見るって、ものすごく大事ですね!
あ、それから。奈良犬が完成するように、金沢の皆さん、頑張って中身詰めてね!!

そして「REAL UTOPIA」という企画展も見ました。
これも面白かったです!!
木村太陽という人の作品が面白かった〜。今の美術って、「笑い」の要素がすごく重要で、いわゆる「お笑い」の別のカタチとも言って良いんじゃないかと思うくらい。
「お笑い」も「美術」も、既存の概念とか思いこみを破壊して、人の脳味噌をキュキュッと揉んで、脱臼させるようなものだから、その共通のキーワードとして「笑い」があるのは、まったく不思議じゃない。
この木村太陽さんの「We know you know we know your pleasure you never know」(私たちは、「私たちが、あなた自身が知り得ないあなたの喜びを知っている」ことを、あなたが知っている、ということを、知っている?笑)という観覧者が実際に触って遊べる作品で、友人にゃがしゃか&Camideと3人で遊んでいて、「あー!写真撮ろう!写真!」と言ってカバンからカメラ取り出したところで、「あの〜・・・」と係員さんに止められました。
すっかり忘れてました。ココ、美術館だったんです!!わはは!(^_^;)

あと、コレクション展のビデオが最高!今回はさわひらきという人の「spotter」という作品。
作家のロンドンのアパートの部屋の中を、キッチンを、小さな飛行機が飛び交い、それを眺めている小さな人々がいる。。。(笑)
今、ビデオが面白いね〜。すごく面白い!!
NYのMoMAでも、鼻歌歌いながらニコニコ笑いながら、バトンみたいなもので路駐中の車の窓ガラスを叩き割って歩く女の子のビデオ見たけど、それも面白かった。
やっぱり、今一番新しい表現メディアだから、勢いがあるんでしょうね!!
うん、面白かった!!

あと、北陸中日は・・・まあ、そういうことだ!(笑)

ブラボー!甘エビ刺身!!(子ども付き)
amaebi いたるHP

本当に美味しいものを食べてる時、写真を撮るなんて、野暮だね!

ということで、「いたる」での画像は無し!
代わりに生まれて初めて描いてみました。
「甘エビ刺身+子付き」。
我ながら上手だな〜(^_^)
好きなものは上手に描ける、の典型ですな。

今回は私入れて総勢7名での宴会。
昔話・今話に花が咲く咲く!
で、私がブログで「甘エビ!甘エビ!」と連呼していたので、刺身桶盛りに甘エビが入ってるにもかかわらず、私専用に1品、「甘エビ刺身だけ盛り」を注文してくれて、私の前に、ドン!
『さあ!甘エビだぞ!好きなだけ食え!食え!!』と。

ああ、ありがたや・・・(/_;)

「え〜!うそ〜!!いいん〜〜???」とか叫びつつ、誰にも分けずに、一人で平らげました。
ごめんなさい。
う〜ん。しかしやっぱり、うちの辺りで食べるのとは、ぜんぜん違うね!! 甘エビの身がね、濁ってないんですよ。透明なんですよ!ぷるぷるしてるんですよ!!
しかも、綺麗な青緑色の子ども付き。最高の贅沢です!

学生時代はお金無くてこんなの食べられなかったけど、今こうやってワイワイ楽しく美味しいものを囲めるってことは、すごく幸せなことであると、しみじみ思いました。
「いたる」には11時頃までいて、次に、突然ショーの始まる謎のカクテル・バー(笑)へ行き、最後はミスドでコーヒー&ドーナツ食べて解散。午前2時になってました(笑)
学生時代、夕方6時頃から翌朝3時4時まで飲んでたけど、それに近いものがありましたね。
Nムラさんの言うとおり!まだまだ若いぞ!みんなこれからだ!!!(笑)

河北潟&内灘ツアー(2006年12月3日)
いつもありがとう、にゃがしゃかツアーm(__)m

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昨日よりはマシだったので、雨は降っていたけれど、水辺に撮影会に行きました。
北陸のみなさん、大変ですね。こんなのが冬の間中、度々なんですから。

でも、いくらお天気が良くても、なかなか思うような風景には出会えないものなんですが、今回ちょっとだけ良いかなと思う写真が撮れたので、無事作品になるよう、頑張ります!!
(ここに載せてる写真とは、違うよ!)

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それにしても、冬の日本海は厳しいねー。
この、死にたくなるような虚ろな空と、白波たつ鉛色の海を見よ!!
実は、この海に面して、金沢医科大病院てのが建ってるんだな。
日々この海を眺めていて、身体はともかく、精神衛生的に大丈夫なのか?入院患者のみなさん?

(ところでこの写真、アンゼルム・キーファーの作品にソックリなんですけど。。。(^_^))

この撮影会の後、ファミレスで昼ご飯食べながら、私のNYの写真をiBookを使って上映&説明会。
そして、新しく出来たという、金沢まで1本で行ける道路をドライブ。
「この道ずーーーっと行ったら、Camideんちまで行けるんだよ〜」って、にゃがしゃか。。。もし時間があれば、本当に行っただろ?(恐)
でもって、金沢駅まで送ってもらって、サンダーバードに乗りました。

(かんけー無いけど、この日、朝、ホテルをチェックアウトして片町の通りを歩いていたら、向かいの通りを歩いてる見慣れた姿を発見。。。おや、Camideさん!!笑。耐震偽装でお馴染みのアパホテルにご宿泊だったのです。にゃがしゃかと待ち合わせの本屋まで一緒に行きました。思いがけず、話の続きができて、良かったね〜(^_^))

と、いうことで・・・

いつ行っても、面倒を見てくれる、にゃがしゃか始め、金沢のみなさんに大感謝(-人-)
新しい絵本が出版されたばかりの人。コツコツと作品制作と仕事を両立し続けている人。子育てに仕事に頑張ってる人。ちょうど私が行った日がコンクールの授賞式だったTグリさん(おめでとう!おめでとう!!ヽ(^0^)ノ)始め、今回会えなかった人も、すごく頑張ってること、話を聞いて、よく分かった。
こうやって、同期の人が頑張ってるのを見聞きすると、本当に勇気が湧いてくる。私も頑張る!
本当に、ありがとう!!


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