QUEEN2
1974/3/8(UK)Released
1.PROSESSION
2.FATHER TO SON
3.WHITE QUEEN (AS IT BEGAN)
4.SOME DAY ONE DAY
5.THE LOSER IN THE END
6.OGRE BATTLE
7.THE FAIRY FELLER'S
   MASTER-STROKE
8.NEVERMORE
9.THE MARCH OF THE BLACK QUEEN
10.FUNNY HOW LOVE IS
11.SEVEN SEAS OF RHYE

アルバム「QUEEN2」について。
 QUEEN好きのほとんどが、あの"A NIGHT AT THE OPERA"も"A DAY AT THE RACES"も差し置いて「QUEENのアルバムの中でベスト!」と答えるアルバムがこれ!!(でも実は私の「BEST OF QUEEN」はこのアルバムじゃないんですけど。)
 このアルバムを作っていた頃って、まだフレディーはケンジントン・マーケットという所に店を出して靴を売ってたんですよ。他のメンバーも相変わらず学生だったり、他のバイトにせっせと精を出していたり。本当に変な人達ですね。

 まず、ジャケット写真が完璧!これはミック・ロックというカメラマンによるもの。そして内容は、1.〜4.がブライアン・メイ、5.がロジャー・テイラーによる、「WHITE SIDE」(=レコードのA面)。6.〜11.がフレディー・マーキュリーによる「BLACK SIDE」(=レコードのB面)のコンセプト・アルバムになっています。全編通してブライアンのギターが冴えわたっています。ギター・オーケストレーションというやつです。しかし実際のところB面ばっかり聴いてる人がほとんどでは...!?「B面」はフレディー・マーキュリーの独壇場です。コワイくらいです。歌詞もコワイです。(人食い鬼の闘いを見に行こうよ!とか、妖精達が森の中で集まって・・とか。)ファースト・アルバムには見られない、凄まじいスタジオ・ワークで作り上げた多重録音のコーラスもコワイです。随所に出てくるハープ・シコードの音もコワイ。フレディーの声もすっごく若くて細くて甲高くてコワイ!!コワイけど、とてもきらびやかで荒唐無稽で愉快で楽しい!後の"Bohemian Rhapsody"につながるオペラティックな構成が力一杯されています。特に9.なんか、もう...!(絶句)一体いつ終わるのかわからないような構成です。出だしの歌詞「Do you mean it? Do you mean it? Do you mean it? Why don't you mean it?(どういうつもりだ?どういうつもりだ?どういうつもりだ?どういうつもりなんだ?)」このくり返しのコワイこと...。(でも10.はとて〜も可愛い。"「愛」はお茶の時間には戻ってくる"だとさ!)曲と曲のつながり具合も絶妙で、まさに芸術的!!ファンタジーの権化!!
 7.は リチャード・ダッド(Richard Dadd 1817-1886)という英国の画家の描いた同名の絵画を基に歌詞が書かれています。絵を見たらわかりますが、歌詞は忠実に絵をなぞっています。ダッドは細密描写で妖精や神話に出てくる神様などを幻想的に描いた絵で(知っている人にだけ)知られている人です。ロンドンのテート・ギャラリーに作品が所蔵されていて、フレディーはそれを学生時代に見たのだと思われます。ダッドの作品には他に「Bacchanalian Scene」というのがあって、そのバッカスの顔が当時のフレディーによく似ています。バッカスの左隣はのちのヒゲ・フレディー!!!(記憶違いでなければ私はこの絵が日本に来た時見ているはず。でもこの絵は1993年にプライベート・コレクションからテートに寄贈されたようなので、フレディーは見ていないかも?)ちなみに、ダッドは精神を病んでいて、調子の良いときに絵を描いていたようです。実のお父さんを殺してしまった人でもあります。最後は狂死だったと思います。...アルバム紹介からちょっと離れてしまいましたかね?

 この後の3枚のアルバム("SHEER HEART ATTACK" "A Night At The Opera" "A Day At The Races")も必ず聴く!と約束してくれるなら、初めて聴く人へのお薦め度は☆☆☆☆(最高のお勧め度)。くれぐれも、このアルバムだけで終わっちゃイカンですよ!!  


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