SHEER HEART ATTACK
1974/11/8(UK)Released
1.BRIGHTON ROCK
2.KILLER QUEEN
3.TENEMENT FUNSTER
4.FLICK OF THE WRIST
5.LILY OF THE VALLEY
6.NOW I'M HERE
7.IN THE LAP OF THE GODS
8.STONE COLD CRAZY
9.DEAR FRIENDS
10.MISFIRE
11.BRING BACK THAT LEROY BROWN
12.SHE MAKES ME
  (Stormtrooper in Stilettos)
13.IN THE LAP OF THE GODS...Revisited


I love this best in all "QUEEN" albums!
アルバム「SHEER HEART ATTACK」について。
 お祭りの喧噪の中から口笛が聞こえてきます。前作「QUEEN2」の最後の曲、「SEVEN SEAS OF RHYE」の最後のコーラス部分のメロディ。このメロディをかき消すようなギターの音で、このアルバムは始まります。

 このジャケットも良いですね〜!前作と同じくMick Rock氏の撮影により、ジャケット・コンセプトはフレディーによるものです。「グリースを塗りたくった上に水をかぶって床に寝ころぶ。」というものだそうです。なんでこんなことを思いつくんでしょうねぇ???実は私の「BEST OF QUEEN」はこのアルバムなんです。何が良いと言って、曲のつながりが1曲目から最後まで文句無し!途中で空気が一度も途切れること無く、非常に気持ちよく聴けます。これはライヴ感を出すためにわざと曲と曲の間を短くしたことの効果のようです。特に3.〜5.は素晴らしい!全然違うタイプの曲なのに、この3つでひとつの曲のよう。いつ聴いてもはぁ〜と思います。大大大好きです!そして"LILY OF THE VALLEY"の可憐で美しいこと!"この曲は自分のことを歌っているんだ!"と作者であるフレディーが言っています。いつ辿り着くともしれぬ幻の王国をずっと探し求めて彷徨い続けていたんですね、彼は。フレディーの曲にはしばしば宗教的な匂いのする言葉や表現が使用されますが、この曲もそのひとつです。邦題は「谷間のゆり」ですが、歌詞に出てくる"lily"はなぜか日本語で「鈴蘭」と訳されています。誤訳ですね。"Seven Seas Of Rhye"(アルバム"QUEEN2"収録)にも出てくる"Rhye"(ライ)という国はフレディーの考えた架空の国の名前である可能性が大です。(知ってる方教えてください。辞書には載ってませんでした。)13.も大好きです。「始まりも無ければ終わりも無いんだ。僕の見せかけに意味なんか無いんだよ。信じて!命は続いていくんだ、いつまでもいつまでも...。すべては神の思し召しのままに!」。そしてこんなに多彩であるにもかかわらず、曲同志が非常に良く合っている。次の"A Night at The Opera"にもつながる部分(11.の凄まじいコーラス!)と、もっと先の"News of The World"や"Jazz"まで見通せるPOPな部分(ジョン・ディーコンの10.とか。)も、このアルバムは持っていると思います。このアルバムで初めて4人全員が曲を提供したというのも、グループがグループとして本格的に機能し始めたことを表していて、良い印象を受けます。そしてこのアルバムをベストと言わない人でも、2.は忘れることができないでしょう。このシングル・ヒットによって、彼らは世界的に認知されました。(しかし彼ら。日本でだけはなぜかデビュー当時から異様に人気があったのです...なんで!?ロジャー・テイラーが美しかったから!?)あのトライアングルの「チーン!」と、奇妙な歌詞と、アクロバティックな曲展開に、非常な違和感を感じつつも惹きつけられた人がそんなにも大勢いたんですね。日本人には「きらー、くいーん、がんばーれ田淵ぃ〜!(本当はGunpowder Gelatine=ガン・パウダー、ゼラチンと言っている)」でよく知られてますよね。(奇妙と言えば1.の歌詞は本当に奇妙です。妻子持ちの男が街で出会った女の子とすわ!浮気!?...でもやっぱり僕には妻子がいるから、ごめんね..!という。ほんでタイトルが「Brighton Rock」(英国南岸のリゾート地「ブライトン」のことらしいけど、音楽の「ロック」とも掛けている!?)。ちなみにこの曲の中盤で聴かれるブライアンのギター・ソロは日本では「津軽じょんからギター」とも呼ばれています。)
 実はこのアルバムはブライアン・メイが十二指腸潰瘍で入院していたため、他の3人がブライアンのコーラスとギター・パートを残して完成させ、ブライアンが退院後コーラスとギターを入れて最終的に完成させたということです。そんなこと言われないとわからないですね。(言われてもわからないけど。)

 彼らの仕事を後から見渡してみると、このアルバムに入っている楽曲は「QUEEN・ショー・ケース」という感じで、QUEENサウンドの典型がバランス良く納められていると思います。とにかくこれが私の「BEST OF QUEEN」です!
でも初めて聴く人にはあんまりお勧めしない。極端なQUEENじゃないので面白みには欠けるから。(でも私は大好き!!)


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