PUT ON A HAT

[ホ] 帽子

帽子
帽子が好きな一家になりたいと思っています。できれば帽子の似合う一家にも。

子供の時から帽子が大好きでした。最初の記憶は漫画家を目指した父が与えたベレー帽。姉と共にベレーをかぶっている写真が残っています。次は野球帽。小学校の体育の赤白帽も好きだった。つばを立ててかぶって、ウルトラマン! というのは当時男の子全員がやってましたね。中学の時は西部劇かぶれもあって、デニムのテンガロンハット。70年代っていう感じですね。きれいなブルーの帽子だったけど、沖縄でキャンプしてずっと火をあおいでいたらペチャンコの真っ黒けになってしまった。

現存する帽子で一番古いのは小学校の終わり頃、阪急ブレーブス(オリックスの前身)が優勝したセールで阪急百貨店におやじといって買ってもらったもの。濃紺のハンチングベレーで、ちょっと桜田淳子かもしれません。中学の時のチェックのハンチング同様、今でもときどきかぶるから、我ながらなかなか物持ちがいい。

アウトドア本だと、日本人もみんなフェルトのつば広をかぶっています。私ももちろん持ってますが、残念ながらインディジョーンズや「リバーランズ・スルーイット」のブラッド・ピットのように似合う人というのはなかなかいないようです。顔がでかいところにつば広をかぶると巨大になってしまうからかな。

映画に出てくる帽子で一番好きなのは、「第三の男」のオーソン・ウェルズ。後に酒のコマーシャルにも出た巨漢の黒い帽子は、いかにも怪しく、いかにも天才めいて、印象深かった。ああいう初老になりたいもんです。私は前に芝居でオーソン・ウェルズ役という、おそれ多い役をやったことがあります。黒マントに帽子をかぶってウィスキー片手に英会話教材の宣伝をしているという、いい加減な役でしたが、その帽子を探しに古道具屋まわりをしたのも楽しい思い出です。結局、梅田阪急ファイブの4階にあった店で、3000円ぐらいで買いました。スタイル的には「バック・トゥ・ザ・フューチャー3」でマイケル・J・フォックスの農夫がかぶっていたあか抜けない帽子を、ちょっとボルサリーノにしたような、不思議なバランスの帽子です。芝居で言うと、「ゴドーを待ちながら」なんかにかぶって出たくなるような帽子です。

今のお気に入りは東京のゴールドウィンのショップ「WeatherStation」で買ったつばの長いキャップです。キャップは車の運転でもじゃまにならないし、オートアウトドアズマンにもお勧め。釣りの店へ行くとひどいデザインのキャップしかなくてがっかりします。メーカーには申し訳ないけど、でかでかとロゴが書かれていてもつまりません。貸しボート屋のボートのボディに品のない広告やボート屋の屋号が書いてあるのと変わらない気がします。これだけ若い人が釣りに興味を持っているのに、もう少し何とかならないものでしょうか。



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