LANTERN

[ラ] ランタン
我が家のランタン 野外の夜は長い。というか、昼が短い。山に囲まれた野営地では、さっさと日が沈んでしまって、「つるべ落とし」なんて言葉を思い出したりします。

私は焚き火を眺めるのが大好きですが、ランタンの明りもまた別の良さがあります。ランタンのあるキャンプとないキャンプでは、ガラっとムードが変わります。「キャンプ道具、何をそろえたらいい?」と一緒に行く友達に聞かれたら、ランタンを勧めます。

ロッジに泊まるときでも、ランタンがあればいい夜が迎えられる。日帰りのときにも意外に役立つのだ。ほら、外でバーベキューやってビール飲んですぐに遊んでいたら、撤収し始めたとたんに暗くなるでしょう。そういう時にランタンがあるおかげで、どれだけ忘れ物、なくし物をせずに済んだか。

うちで使っているのはイワタニ・プリムス社のガスボンベのものと小さなキャンドルランタン。夜、外の共同トイレへ行くためのヘッドランプも用意してます。ランタンとしては、コールマン社のホワイトガソリンのものも有名です。うちがプリムスにしたのは、ガソリンよりガスボンベが少し手軽なのと、プリムスの黄色が好きだということ、それに、シングルバーナーもプリムスだったので、燃料を合わせたかったのが理由です。ただし、コールマンにもボンベはあるし、どっちがいいとは一概に言えません。コールマン・クラシックの赤が好きな人はたくさんいると思う。

今ほしいのは、ランタンスタンドかハンガー。ハンガーは木の幹に好きな高さにランタンをつけられるのがGOOD。もちろんスタンドがあれば木のないところで設営しても、いい高さに光を作れます。

ただ、ランタンスタンドは少し恥ずかしい。ランタンスタンドをテーブルサイドに立ててるキャンパーって、悪いけど張り切ってる初心者にしか見えないでしょ? せっかく焚き火のきれいな炎と、息を飲むような星空があるのに、ランタンの光りでわざわざ何も見えなくしてるなんて.... と思ってしまうのです。

夏場は虫よけの意味もあって、強い光のランタンは少し遠い目に設営したいもの。食卓近くに置くなら、明りをうまく絞るのがコツです。

西洋では暖炉やキャンドル、日本ではあんどんや灯芯。夜の明りというのは下からくるものだったんです。雪見障子からの明りもローアングルですよね。戦後になって、日本は天井に蛍光灯の生活になってしまって、陰影に富んだ明りの文化を失ってしまったんだと思います。大好きな映画『裏窓』で、グレース・ケリーが部屋の明りを順番につけていくシーンのきれいなこと。家の中でもアウトドアでも、もっと明りに敏感な人間になりたいと思っています。



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