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[チ] 地図
地図 地図を読んで自分の位置を確認すること。それが野外行動の基本です。私たちはまだ経験が足りず、十分に地図が読めません。名人たちに聞くと、地形図から、それがどんな場所でどこで休憩したらいいか、どこで雨が降りそうかとか、いろんなことが分かるとか。地図は見るんじゃなくて、読むものなのです。

アメリカのアウトドアショップ(ロス郊外の「アドベンチャー16」)に寄った時、地図やノウハウ本に多くのスペースを割いているので驚きました。ソファがあって、コーヒーもセルフサービスで自由に飲める。お客さんたちは、ライトトレッキング風のスタイルでやってきて、そこでお茶を飲みながら、地図を広げ、本を読み、次の山行きの計画を相談しているようでした。そういうアメリカの中年夫婦ってかっこいいですよね。でも、商品の地図をそんなにゆっくり読んでていいのかよ、っていう気もしましたが。店としても、その計画が具体的になって初めて、利益率の高い高額商品が売れるのでしょうから、それでいいようです。

昔、『地図と冒険』というシリーズ本があったのごぞんじないですか。地図にまつわる冒険の数々、図法の由来など、中学生ぐらいだったので深くは読んでいないけど、すごくわくわくさせる本でした。『宝島』や『ツバメ号とアマゾン号』に出てくる地図と、とてもよくつながっているのです。日本の最近のでは、山崎浩さんの漫画シリーズ『ふしぎふしぎ』の中で、子供たちが身近な場所の地図を作るエピソードがありましたね。テレビで見たので面白かったのは、毎日放送のアナウンサー高梨さんという方の趣味。地形図だけを見て、その場所の風景を想像し、風景画を描くことだそうです。これはすごい。「海上の空から見た知床半島の春」とか、実際にはほとんど見ることの不可能なビューポイントから風景画を描いてしまうのです。「年をとって実際の旅行が大変になった日のために」と言っておられましたが、この方は、きっと山歩きのベテランに違いありません。

地図は想像力を刺激し、想像力が自然との出会いをセッティングします。いろんな場所の地図を読んで、想像力の旅に出かけたいと思います。出版されている地図では、峠とかが地図の切れ目になっているものが多く、ドライブマップにも不満なものが多いです。ドライブって言うのはその速さで地域区分を超えるための旅です。なのに、近畿と中部の境がちゃんと載っていなかったりする。山の中でいい場所を探したい我が家としては困るわけです。重宝するのは昭文社の『ツーリングマップル』。バイク用です。さすがに峠や林道に強い。いい地図がないとお嘆きでしたら、一度お試しください。



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