MR. BAD GUY/
FREDDIE MERCURY
1985/4/29(UK)Released
2000/11/22(JP)Released(Box Set)
1.LET'S TURN IT ON
2.MADE IN HEAVEN
3.I WAS BORN TO LOVE YOU
4.FOOLIN' AROUND
5.YOUR KIND OF LOVER
6.MR. BAD GUY
7.MAN MADE PARADISE
8.THERE MUST BE MORE TO LIFE THAN THIS
9.LIVING ON MY OWN
10.MY LOVE IS DANGEROUS
11.LOVE ME LIKE THERE'S NO TOMORROW

アルバム「MR. BAD GUY」について。
 QUEENのアルバム「THE WORKS」('84年)「A KIND OF MAGIC」('86年)の間に作られた、フレディー・マーキュリーの1st.ソロ・アルバムです。タイトルは最初「MADE IN HEAVEN」でしたが、プレスする直前になってフレディーが「こっちの方がいい。」と言って「MR. BAD GUY」に差し替えられました。「MADE IN HEAVEN」は奇しくもフレディー没後に出たQUEEN最後のアルバム・タイトルに使われました。
 発売当時、このレコード・ジャケットをQUEEN好きの友人の下宿で見せられた時は正直びびりました。CDじゃないんですよね、当時は。あの巨大なフレディーの"おっとこまえ!!"なポートレイトがどっか〜ん。友人曰く「フレディーって、やっぱしカッコええわぁ〜〜!」(ウットリ顔)。要るか要らないか聞かれるまでもなく、テープにダビングされてしまったので、持ち帰りました。聴いてまたまたびっくりでした。「なんじゃこりゃ〜〜!!」でした。QUEENとは似ても似つかないピコピコした軽〜い音に、ナルシス感でびしょびしょな上あからさまにゲイッている歌詞も...。正直言って、学生時代は2〜3回聴いただけで放置し、その後も1年に1回ぐらい思い出したように聴いて、そのつど「ああ、しまった...」としまいこむ。その繰り返しでした。QUEENのヴォーカリストとして歌っているフレディーの方が断然良いと思っていたんです。その認識を少し変えたのは、このセットで新たに聴き直してからです。これを作った経緯などを多少学習したので、「この当時はこういう、QUEENとは正反対のものをやりたかったのね。」と思えるようになり、そう思って聴くと、なんか好きになってきてしまったんですね。(完全にマジックにかかっている。)

 さて、やっとこさ内容について。
 楽曲としては良いものがたくさん入っています。1.もろダンス・ミュージックですね。歌詞は「ハイになろうぜ!」を連呼しています。2.は良いですね〜。歌詞が良いんです。自分の人生に対する宣誓文みたい。「運命のままに駈けて行こう 自分の役割は果たすつもりさ」「嵐が来るのも 天のさだめ 雲間から青空がのぞく時 ぼくは願う この瞬間が永遠に続くことを」「誰もが言う すべては運命だと 星のもとに さだめられていたのだと」。3.も良い!歌詞が簡単なので、英語まったくダメな日本人の私でも聴き取れます。日本ではビールのコマーシャルに使われたので、知っている人も多いのでは?4.は好きな「女」の人に翻弄される男心ってヤツを歌ってます。が、5.では一転して好きな「男」の人に去って行かれようとしている「男心」を歌ってます。んむむ〜〜。6.はオーケストラをバックに歌い上げています。クラシック音楽への憧憬はこの頃からあったんですね。「俺様は他人の人生を破壊する、ワルい男。」と言ってます。(実際フレディーは、円満に別れた元恋人達に対しては行き届いた気遣いをしていたようですね。「きみの人生を変えてしまってごめんね」という意味で。)7.は邦題が「男のパラダイス」!!これって誤訳なの!?8.ピアノのバラードです。「殺すことよりも生きることに意味があるはずだ 生き残るためのより良いやり方が 最後には皆死ぬだけなら 何が人生だっていうんだ!? 人生には何かもっと大事なものがあるはずだ」フレディーには珍しい説教臭い歌詞です。が、好きです。メロディーがホント美しいです。フレディーの一生を綴ったDVD「FREDDIE MERCURY : THE UNTOLD STORY」の中の少年時代のくだりにくり返し使われています。映像にもぴたりはまっています。実はこの曲はQUEENのアルバム「THE WORKS」の最後の曲として収録される予定でしたが、「IS THIS THE WORLD WE CREATED...?」が出来たので、QUEENのアルバムではなくフレディーのソロとしてここに収録されたそうです。9.「泣き崩れ」の決定版。「I get so lonely lonely lonely lonely yeah!」(寂しくって、寂しくって、寂しくって、寂しくって、仕方ないんだい!えいっ!!)出だしからしてぶっ飛んでいます。「ピロロロレェ〜〜!」ですよぉ。終盤の「怒濤のピロレロ」も圧巻。変態パワー炸裂です。この曲のビデオはフレディー39回目のバースデー・パーティー(ただし、服装は白と黒で統一し、男性は女装。女性は男装。と決められていた。)で撮影され、会場に仕組まれた隠しカメラによって撮られた彼の友人達の痴態が満載されています。アメリカでは「性の乱れが見てとれる。」として放送禁止になりました。「プロモーション・ビデオ」のくせに全然プロモーションになってないのがフレディー先生の面目躍如ってとこでしょうか。10.珍しいレゲエ調です。「僕の愛は危険がいっぱい。気をつけな!」。11.フレディー本人がこのアルバムの中で一番気に入っていると公言していた曲。ロマンチックです。歌い上げています。「明日という日がやって来ないかのように 僕を愛しておくれ きみの腕に抱きしめて 愛してると言っておくれ」。うっひゃ〜。
 と言うことで、フレディー曰く「確かに昔は難解な曲も書いてたよ。でも、"なんだコイツ、なんでこんな気持ちが解るんだよ!"と言われるような曲を書くのが、今のフレディー・マーキュリーなんだ!」と語っています。そしてQUEENの他のメンバーに対しては「放っておいてくれてありがとう。」と言ってます。なるほどね。それにしてもアレンジのチープさが何とも言えません。特にそれぞれの曲の終わり方が極端にフェイド・アウトしすぎていて、1曲の余韻がブチッと切れて次の曲に行ってしまう。そういう荒っぽさが目に付きますね。楽曲はすごく良いのに、なんか印象が悪いなー。


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