MADE IN HEAVEN
1995/11/6(UK)Released
1.IT'S A BEAUTIFUL DAY
2.MADE IN HEAVEN
3.LET ME LIVE
4.MOTHER LOVE
5.MY LIFE HAS BEEN SAVED
6.I WAS BORN TO LOVE YOU
7.HEAVEN FOR EVERYONE
8.TOO MUCH LOVE WILL KILL YOU
9.YOU DON'T FOOL ME
10.A WINTER'S TALE
11.IT'S A BEAUTIFUL DAY(reprise)
12."Yah!" (by FREDDIE MERCURY)
13.Instrumental

アルバム「MADE IN HEAVEN」について。
 もう...!誰が何と言おうと私はこのアルバムが好きです!!
こだわりのある人は、「これはフレディーが亡くなった後に作られたアルバムだから、QUEENのアルバムとは認めない。」と言いますが、だって良いものは良いんですっ!確かにここに収録されているのは、4人が「INNUENDO」の次のアルバム用にとレコーディングしていた新曲、メンバーそれぞれのソロアルバム収録曲(フレディーがヴォーカルを取っている)とそのニュー・バージョン、と、寄せ集めの感は否めません。でもいいではないですか!それしか残されていない中で、彼らはフレディーが望んだこと(=ニュー・アルバムを完成させること。)を受け継いで、それをやり遂げたのですから。
 ジャケットも最高です。片腕を高く振り上げているのは湖畔に立つフレディーの銅像です。本当にあるんですよ!(私は見に行ったことはありませんが。)この写真には朝バージョンと夕方バージョンがあって、4人が最後のレコーディングをしていたスイス・モントルーの、レマン湖を望む風景です。アルバムの印象は、このジャケットの印象通りです。

 1.新曲です。さわやかです。「INNUENDO」の悲壮さはどこへ!?という感じです。2.と6.はフレディーの'85年のソロ・アルバム「Mr. Bad Guy」収録曲をQUEENの3人のメンバーでアレンジし直し、フレディーのヴォーカルと合わせています。どちらもオリジナルのアレンジはかなりチープな印象でしたが、こちらは重厚で正にQUEEN!です。ブライアンのギターが唸りすぎ、というのはご愛敬でしょうか。3.は...タイトルを見るだけで涙です。「我を生かし賜え!」スタンダードのゴスペルと言われても不思議ではありません。3人が交代でヴォーカルを取っている珍しい曲です。新曲ということですが、フレディーの声が昔みたいな目一杯さで、そんな風には聞こえないんですけど...。4.フレディーが最後にレコーディングしたと言われている曲です。これはブライアンとフレディーの共作らしいです。出だしの声を聴くと、痛いくらいです。最後は1曲を一度に歌いきる体力も残っていなかったそうです。'86年のLIVEでの客席との掛け合いも入ってます。フレディー初のレコーディング作品「GOIN' BACK」の一部も聞こえます。この曲の歌詞は今になって思うととても意味深でした。最後に聞こえるのはかもめの鳴き声だと思うんですけど。もちろんスイスはレマン湖の!!5.「新聞を読めばどのページにも死が溢れている!ああ!神様!!今日まで僕を生きながらえさせてくれて有り難う!!」という歌詞。フレディーはこの曲をとても気に入っていたそうです。確かに深刻に取ることも滑稽に取ることもできる微妙な歌詞と、爽やかなメロディにアレンジ。ジョンの作だそうです。さもありなむ!7.はロジャーのソロ・アルバムにフレディーがゲスト・ヴォーカルで参加した時のものです。8.ブライアンの曲です。フレディーのヴォーカルが素晴らしいですが、"TOO MUCH LOVE WILL KILL YOU"ですよ!!この人達は本当にもう...!(フレディーもソロ・シングルで「LOVE KILLS!」と歌っていますねそういえば、、)9.この中ではホッとする新曲です。「ママが言うんだ。あの女は良くないよ。冷静になるんだ。気をつけな!」10.フレディーが書いた最後の曲です。「すべてが美しい。空に描かれた絵画のようさ!山々は高くそびえ、幼い女の子達が歓声をあげたり泣いたりしている。僕の世界は回って、回って、回り続ける。信じられないくらいに!僕は夢を見ているんだろうか!?」11.終盤に彼らの最初のシングル・ヒット「SEVEN SEAS OF RHYE」のピアノのイントロ部分が聞こえます。12.一言フレディーの「Yah!」が入っています。13.はクレジットもされていないシークレット・トラックで、20分以上あります。最後にフレディーの声が一瞬聞こえて終わります。
 と、いうことで、初めて聴く方へはお勧めするべきではないでしょうね。フレディーが元気だった頃のアルバムから聴いて下さい。その方がいいです。

 尚、1.3.6.7.10.はモーリス・ベジャールの※「Ballet For Life(バレエ・フォー・ライフ)」(="Le Presbytere n'a perdu de son charme, ni le jardin de son eclat")で使用されています。


※『モーリス・ベジャールの「Ballet For Life(バレエ・フォー・ライフ)」とは?』

 振付家・モーリス・ベジャール率いるベジャール・バレエ団は現在スイス・ローザンヌに本拠を置き、世界中で活躍しているコンテンポラリー・バレエ・カンパニー。(その前身はベルギー・ブリュッセルを本拠とする、「ベルギー王立20世紀バレエ団」。ローザンヌに本拠を移して後、「ベジャール・バレエ団」に改称。)「Ballet For Life」はベジャール氏のバレエ団に在籍した天才ダンサー、ジョルジュ・ドン('92年AIDSのためフレディーと同じ45歳で他界。)が亡くなった後に、ベジャール氏が偶然手にしたこのアルバム「MADE IN HEAVEN」のジャケットを見て「これは自分の別荘からいつも見ている風景だ!!」とショックを受けたことをきっかけに、フレディーの伝記本を読み、QUEENのアルバムを聴き、この性格的に全く異なる2人の才能溢れるアーティストに共通する、生への苦悩を発見したことで生み出されました。使用されているのはQUEENとフレディーの楽曲13曲とモーツァルトの曲5曲。このバレエ作品は若くしてこの世を去った才能有る人々(それは特にフレディー・マーキュリー、ジョルジュ・ドン、ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト)に捧げられています。(この3人に共通する"苦悩"とは!?現実世界との相容れ無さとそこからの逃避!?)
 より詳しくは「Ballet for Life」のページ←をご覧下さい。


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