LIVE MAGIC
1986/12/1(UK)Released
1.ONE VISON
2.TIE YOUR MOTHER DOWN
3.SEVEN SEAS OF RHYE
4.A KIND OF MAGIC
5.UNDER PRESSURE
6.ANOTHER ONE BITES THE DUST
7.I WANT TO BREAK FREE
8.IS THIS THE WORLD WE CREATED...?
9.BOHEMIAN RHAPSODY
10.HAMMER TO FALL
11.RADIO GA GA
12.WE WILL ROCK YOU
13.FRIENDS WILL BE FRIENDS14.WE ARE THE CHAMPIONS
15.GOD SAVE THE QUEEN

アルバム「LIVE MAGIC」について。
 これはアルバム「A KIND OF MAGIC」のサポート・ツアーであり、QUEEN史上最大規模にして最高の成功を収めた「Magic Tour '86」の様子を収録したLIVE ALBUMです。ここで彼らの初めてのLIVE ALBUMである「LIVE KILLERS」('79)を思い出して身構えるのは私だけではないはず...。その心配は...。

 ここに収められている音源は、イギリス2箇所ハンガリー1箇所の計3箇所におけるLIVEから採られています。ということで、やっぱりぶつ切り感があります。QUEENはLIVE ALBUMを2枚組で発表すること自体に難色を示していたらしく(「LIVE KILLERS」の失敗があったから???)、何とか無理矢理1枚にまとめて詰め込んだようです。それが上手く行ったとはとても思えないのですが...。何故かと言うと、私達は現在'92年フレディーの追悼盤として急遽発売された「LIVE AT WEMBREY '86」("...MAGIC"と同じ「Magic Tour '86」の英国Wembrey Stadiumでの7月11・12日のLIVEの模様を2枚にまとめたもの。)を聴き、この「LIVE MAGIC」と比較することができてしまうからです。"...WEMBREY"の方はほとんど何の細工も施されていないかの様な印象(加工してたら怒る...。)を受ける、すばらしいアルバムです。客席とのやり取り、フレディーの即興、自作以外のスタンダードの曲の演奏など、ヒット曲を生で再現すること以外の、LIVEならではの部分がふんだんに含まれていて、「ああ、彼らはこういうLIVEをやってたのかぁ。」ということがとてもよく解るのです。残念ながらこの"...MAGIC"の方ではそういったLIVEならではの遊びの部分がカットされていて、とにかくヒット曲を!というのが目的になっていて、個人的には"...KILLERS"の方がまだいいかな、とさえ思ってしまいます。このアルバムに関してはメンバーは特に失敗だったとは言っていないようですが、釈然としないアルバムだと思います。まだ聴いたことの無い方は、ご自分で聴いて判断してみて下さい。
 なお、7.のテイクの「I Want To Break Free」はモーリス・ベジャールの「Ballet for Life」の中の、ジョルジュ・ドンの映像が流れるパートで使われます。

 このツアーの後メンバー、特にフレディーは「少なくとも2年間はグループを離れる。」と宣言し、QUEENは再び活動を休止します。が、今回は前回のような危機回避のための休暇ではなく、本当に各人がやりたいことをするための休暇であり、その結果はフレディーの素晴らしいアルバム「BARCELONA」('88年)となって現れることになるのでした。

 初めて聴く方。とりあえずのとっかかりに聴いたら良いとは思うんですが、同じ買うなら断然「LIVE AT WEMBREY '86」ですよ。☆☆。


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