THE MR. BAD GUY SESSIONS
2000/11/22(JP)Released (Box Set)
1.LET'S TURN IT ON(A Cappella)
2.MADE IN HEAVEN(Alternative version)
3.I WAS BORN TO LOVE YOU(Vocal & piano Version)
4.FOOLIN' AROUND(Early Version)
5.FOOLIN' AROUND(Unreliesed 12" Mix)
6.FOOLIN' AROUND(Instrumental)
7.YOUR KIND OF LOVER(Early Version)
8.YOUR KIND OF LOVER(Early Version)
9.MR. BAD GUY(Orchestral Out-Takes)
10.MR. BAD GUY(Early Version)
11.THERE MUST BE MORE TO LIFE THAN THIS
  (Piano Out-Takes)
12.LIVING ON MY OWN
  (Hybrid Edit : Early/Later Version)
13.LOVE IS DANGEROUS(Early Version)
14.LOVE ME LIKE THERE'S NO TOMORROW
  (Early Version )
15.LOVE ME LIKE THERE'S NO TOMORROW
  (2nd Early Version : Extract)
16.LOVE ME LIKE THERE'S NO TOMORROW
  (3rd Early Version : Extract)
17.LOVE ME LIKE THERE'S NO TOMORROW
  (Live Take)
18.SHE BROWS HOT & COLD
  (Alternative Version featuring Brian May)
19.GAZELLE(Demo)
20.MONEY CAN'T BUY HAPPINESS(Demo)
21.LOVE MAKIN' LOVE(Demo)
22.GOD IS HEAVY(Demo)
23.NEW YORK(Demo)

「THE MR. BAD GUY SESSIONS」について。
 このCDには、フレディーのファースト・ソロ・アルバム「Mr. BAD GUY」(1985年)の制作過程でレコーディングされた音が集められています。

 このCDは何度聴いても飽きません。アカペラ有り、ピアノの弾き語り有り、ピアノのみの演奏有り、歌詞違いメロディー違いの作曲過程有り、何でも有り!!中でも一番好きなのは11.THERE MUST BE MORE TO LIFE THAN THIS (Piano Out-Takes)。ヴォーカル無しで同名曲のイントロのピアノを一生懸命弾いているのですが、どうしてもひとつ音を間違えてしまい、なかなか思っているメロディーが弾けません。それを何度も繰り返しています。やっと成功した後、もう1回弾いてみたらまた失敗して、最後は「休憩!!」と叫んで終わっています。
 では各トラックについて書いていきましょう。

 1.フレディーのヴォーカルだけですが、フレディーのしているヘッドフォンからバックの楽器の音がかすかに漏れています。このトラックもそうですが、ヴォーカルを1声だけで入れることってほとんど無いみたいですね。同じメロディーのヴォーカルでも少なくとも2声は重ねるのが普通のようです。2.歌詞が不完全です。ところどころ「ナナナー」で済ませています。本人も語っているように、フレディーはメロディーが先行して、後からそれに合う歌詞を当てはめるスタイルで作曲していました。(「KILLER QUEEN」は歌詞先行だったようですが。)彼にとって綺麗なメロディーを書くことは朝飯前で、むしろ歌詞を書く方に手間取ることが多かったようです。「僕は詩人じゃないからね。」だそうです。でも苦手でありながらも自分で歌詞を書き続けた彼にはやはり、自作の歌詞にこだわりがあったに違いありません。彼の歌詞には初期には大仰で荒唐無稽なものが多く、後期の歌詞には情けないほどセンチメンタルで愛情乞食な面もあったり、彼ならではの特徴がはっきりあります。彼は後期の何枚かのソロ・シングルを除いて、自作かQUEENのメンバーの手による楽曲しか歌おうとしなかったので、自分をよく知る人としか安心して仕事が出来ない、かなり神経質なシンガーだったとも言えるでしょう。3.ピアノの弾き語りです。恐らくこのヴォーカルがアルバムに収録されたものと思われます。さすがに自作曲だけあって、早い段階でヴォーカルが完成されていたようですね。(それに比べると自作ではない「THE GREAT PRETENDER」('87年)は自分のものにするのに時間がかかった様子がうかがえます。)4.キーボード、ドラムス、ベースだけのバックで、歌詞も完成作とは一部違っています。5.長〜いバージョンです。リリースされなかったのは、長い割には短いバージョンと大して違いが無く、つまらなかったからでしょうか?6.ヴォーカル無しのテイクです。でもコーラスは入ってます。フレディーがバッキング・ヴォーカルを務めてくれる「豪華カラオケ」ってところですね!!7.まだ歌詞が不完全です。8.ほぼピアノの弾き語りです。時々ドラムスが入ります。ヴォーカルが引き立っています。9.イントロ部分のオーケストラの試し演奏みたいです。ちょっとマヌケ。10.バックが薄く、最終版とは歌詞が異なっています。11.は先に書いたとおり!私のお気に入りです。まさかこんなものが世に出るとは、フレディーは全く予想していなかったでしょう。12.は途中で途切れていたふたつのテープをつなぎ合わせて1曲になっています。完成版でも強烈な最後の怒濤の「ぴろれろ」がもっと凄いことになっています。13.タイトルが完成版とは違っています。まだ頭の「MY」が無いんですね。バックも本物の楽器で演奏されています。14.15.メロディーも歌詞も完成作とは微妙に違います。似ているようで、違う。フレディーは「ちょっと聴いてみて!」と言って作曲中の作品を歌った後、「ちょっと待ってね。」とコードをいくつかいじって、「ほら!もっと良くなったでしょ?」ということをよくやっていた、という話がありますが、この曲はその典型ではないでしょうか。もちろん、このテイクよりも完成作の方が良くなっています。16.メロディーは完成作と同じです。でも歌詞が違います。17.ヴォーカル無しのインストゥルメンタルです。「ワーンツー、スリーフォー」というフレディの声が頭に入っています。18.この曲はシングル「MADE IN HEAVEN」のB面でしたが、実際に収録されたのはこのテイクではありません。このテイクにはブライアン・メイが参加していて、思いっきりギターを弾きまくっています。フレッド・マンデル氏のピアノも凄い!!これも好きなトラックです。19.シングルにもアルバムにも入らなかった、未完成の短い曲です。でも可愛い。20.「お金で幸せは買えないんだ。」と歌っています。本物の大金持ちになったフレディーの本音でしょうか?未完成ながら「LIVING ON MY OWN」の姉妹曲と言える曲です。21.最初の数小節がフレディー作の「TAKE MY BREATH AWAY」(アルバム「A Day At The Races」1976年、収録)と全く同じメロディーです。他に私が見つけた「出だしがそっくりさん!!」は「PLAY THE GAME」(アルバム「THE GAME」1980年、収録)と「THE MIRACLE」(アルバム「THE MIRACLE」1989年、収録)があります。以上「そっくりショー!」でした。22.これもまさか!のトラックです。フレディーが風邪をひいていて、鼻をすすりながら歌ってピアノを弾いています。声も出ていません。すごく短い未完成の曲で、すぐに終わってしまいます。23.未完成の短い、フレディー作なのにまるでスタンダードのような曲です。すぐ終わってしまうのがもったいない。

 このCDは本当に貴重品だと思います。(アルバム「MR. BAD GUY」の存在自体が今では貴重品ですけどね!)


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