やってみようアウトドア
秋の森で遊ぼう[3]

安定した静かな炎 スマート
森がくれるものは、よい焚き付けである。いわゆる落ち葉焚きを上手に楽しみたいシーズンだ。
乾いた木の皮やヒノキの落ち葉などがパチパチとよく燃えてくれる。秋の森は焚き付けの宝庫だ。ということは、周りは燃え移りやすいものだらけ。十分な注意が必要だ。乾燥した木枯らしにあおられたら、失敗では済まなくなる。われわれ初心者は、周りが広く空いた土の上で楽しもう。
だれでも燃えさかる火を美しいと思うだろうが、初心者の悪いクセで、火を大きくしすぎる傾向がある。キャンプの夜に、ウィスキー片手に静かに語り合う横で火がボウボウ、というのは似つかわしくなく、かっこ悪い。すぐにまた火が小さくなって、薪を足さなければならなくなったり、不安定で、せわしない。
ベテランの焚き火のように、静かにちょうどよい大きさで燃え続ける、安定した焚き火がいいのである。
上手な人は、少々湿った枝でも、火のそばにたてかけて乾かし、立派な薪にしてしまう。ナイフで木をけばだたせ、焚き付け兼マキという便利なものを作ってしまう。雨の中でも新聞をかぶせて下から焚き付け、火を起こす。ベテランというのはすごいものだ。
イラストでは、ちょっとベテラン風(?)に見える薪の組み方をご紹介した。まくらは、絵ほど太い木でなくても大丈夫。
1997,10,23
文:石井研二 絵:石井光