アウトドアへの招待
ハーブの薬[1]

まずはウオッチングを
洋風料理の味つけはとにかく塩コショウとか、何にでもウスターソースをかけるとか。こうした「ひとつ覚え」的味をパッと広げてくれるのが、ハーブ、スパイスである。塩分とり過ぎに悩む日本人は、もっと香りによる健康的な味つけを楽しんでいい。
6月の北海道・富良野のラベンダーが代名詞になっているように、初夏はハーブの開花期。ハーブ園を楽しむには最高の季節だ。
アウトドアにも、女性がリーダーシップをとれる分野はたくさんある。ハーブの楽しみなどは、その代表格といえるだろう。
古くから、薬に、防腐剤に、調味料にと、幅広く親しまれてきたハーブの世界はなかなか奥が深い。
カレーに独特の黄色を与えるターメリックは、衣類の染料としても優れている。(カレーの染みが落ちにくいわけだ)。優しいハーブ染めも最近人気がある。
今回イラストで紹介しているのは、右がバジルで左がミント(ハッカ)。このミントも種類が豊富で栽培も簡単。ゲタ箱に鉢を置き、ちょっと葉に触れればほのかに香る。さわやかな気分で出かけられるのだ。
まあ、栽培して料理や染色に使うのは応用編。まずはハーブ・ウオッチングでリフレッシュ気分を味わうことをおすすめしたい。
カモマイルやローズマリー、セージなども意外なほどかれんな花をつける。
ハーブ・ウオッチングは、男の焼き肉アウトドアから暮らしのアウトドアへと誘ってくれる。
1995,6,8
文:石井研二 絵:石井光