アウトドアへの招待
ハンドクラフト[4]

アイデア生かして手作り小物
アウトドア派には手作り派が多い、と思う。
オートキャンプ場などでは、店から一式買ってきましたという感じの人もまだ多いが、何度かやるうちに道具の一つも作ってみたい、となるのではないか。
私は元々日曜大工好きで、DIY店をウロウロするのが趣味のようなところがある。これまではわが家の収納力が足りないせいで、家の棚ばかり作っていた。
キャンプで使うもので手作りといえば、結局スパイスラックと、薫製(くんせい)用の冷薫塔と呼ばれるものぐらい。
冷薫塔とは、中にチーズやタコの足などをつるして下から煙をかけるだけのものだから、日曜大工どころか、日曜の午前中だけでできる程度のもの。
家の中用の作品では、小さな食卓の上にパカッとはめこんで急のお客様の時にテーブルを大きくできる、杉のテーブルトップが気に入っている。これなどは車に積んでおけばキャンプでも力を発揮するものだ。
食卓、スパイスラックに冷薫塔。私のキャンプスタイルが、いかに食べることに偏っているかが分かってしまいそうだ。
他の人の作品では、竹のひと節に切れ目を入れて、包丁立てにしているのを見て感心したことがある。難しい工作ではないが、アイデアひとつで自分ならではのキャンプスタイルが生み出せる好例だろう。
ファミリーキャンプなら木彫りのネームプレートなどはいかがだろう。タープのポールにかけておくだけで、キャンプが自分の陣地という感じがして、ぐっと親しみがわくと思う。
簡単なものでも、自分のスタイルに応じた手作り小道具があるだけで、キャンプの満足度がずっと増えるはずだ。
1995,9,21
文:石井研二 絵:石井光