やってみようアウトドア
星空に親しむ[2]

見逃せない皆既月食
今年は中秋の名月が皆既月食だ。太陽がつくる地球の影の中に、満月がすっぽり入ってしまうのが月食だが、今年はそれが中秋の名月に起こる。これはけっこう珍しいことなのである。
17日の午前2時ごろ欠け始め、3時か4時ごろに皆既を楽しめる。今世紀中は、中秋の皆既月食というのはもうない、と思うと今回は見逃せない。
月は一番親しみやすい天体だ。「なぜ月は満ち欠けするのだろう」とか、「地平近くの月が、高く上がった月より大きく見えるのはなぜだろう」と、天体への興味のきっかけになりやすい星だと言える。肉眼でも楽しめるから、まず一度立ち止まって、ゆっくり見ることだろう。
私は子供のときに、アポロ11号の着陸シーンを見ているのでその印象が非常に強い。あの着陸地点「静かの海」だって見えるのだ。手元の双眼鏡を使って見るだけで、その表面の表情にだれもがひきつけられるに違いない。
私の双眼鏡をイラストにした。わずか7倍で、ちょっと鳥を見たり、スポーツ観戦にいいと思って、近所の店で買ったものだ。それでも、普段見ているのと違う月のたたずまいに、軽い興奮を覚える。
本当は10倍ぐらいの、もっとレンズ径の大きなものが良い。重過ぎると疲れるし、手ごろなサイズの双眼鏡で星空散歩を楽しんでみよう。
1997,9,4
文:石井研二 絵:石井光
野外を楽しむインターネット・ホームページ
海上保安庁 海洋情報部
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/jhd.html
意外なところに月食やヘール・ボップすい星の情報を発見。潮干狩りカレンダーや日出没/月出没情報なども役立つ。