やってみようアウトドア
秋の森で遊ぼう[2]

どんぐりで遊び道具
森がくれる宝物で手作りをすると、自然がぐっと身近に感じられる。ドングリ、落ち葉、枯れ枝。どれも使いようでとてもセンスのある小物や遊び道具に変身するのだ。
まずはゆっくり晩秋の森を散策すること。遠くの風景も美しいとは思うが、足元に落ちているものをじっくりと見る。その形や長さを生かして何か作れないかと物色するわけだ。
慣れると、この枝はフォトフレームにとか、この落ち葉をガラスの額に入れるだけで絵になる、といったことが見えるようになる。イラストでは飾りっぽいものを中心にしたが、実用的な生かし方もある。
例えば我が家では、台所の戸棚の扉についているプラスチックの持ち手をはずして、全部木の枝に変えたことがある。ルックスだけでなく、なかなか手ざわりも良く気に入っていた。
遊び道具としては、ドングリゴマがポピュラーだろう。小さな子供たちは何の細工をしなくても、ドングリをひねってコマのように回すだけで驚いてくれるのでうれしくなる。
ドングリそのままではおいしくはないが、しっかりアク抜きして粉にすると、お菓子に応用可能だ。秋を味わう方法かもしれない。
もちろん、ドングリには種としての役割もある。たくさん拾ったら一部は植えて、森に返す日を夢見たいものである。
1997,10,16
文:石井研二 絵:石井光